2018-01-01から1年間の記事一覧
ジョン・コルトレーン(1926-1967)が死んで51年目の今年、彼が1963年にスタジオ録音したアルバムが発売された。おや、と驚き、CDを購入し、コルトレーン最盛期の音を懐かしんだ人が多かったに違いない。 Both Directions at Once: The Lost Album である。 …
S&P500とよばれる米国の代表的企業の最高経営責任者と一般従業員の賃金の格差が2017年に361倍に広がった。米労働総同盟産別会議(AFL-CIO)によると1950年代には20倍程度だった。 米国は世界に冠たる強欲資本主義の国である。企業は消費者から金をむしり取り…
トランプ米大統領は就任するや否な、TPPからの離脱を宣言した。気候変動枠組パリ協定からも離脱した。古い友人である欧州に背を向ける外交姿勢をとった。北の国境で接するカナダと南の国境で接するメキシコと意味のない摩擦を起こした。北朝鮮のキム・ジョン…
筆者がまだ若かったころ、米国の大学・大学院に留学する日本人学生は胸部レントゲン撮影のフィルムを大学当局に提出するよう求められた。 「アメリカは結核を怖がっているんだ。それと社会主義とね。蔓延すると大変だから」 米国通がそう教えてくれた。 米…
沖縄県知事選の投開票日の9月30日、本州のメディアは台風24号のニュースにかかりきりだった。沖縄知事選で安倍政権が支援した候補が敗れ、安倍政治のほころびが見えたが、メディアはそのほころびを取り上げて詳しく分析する暇がなかった。あるいは、分析や知…
トランプ米大統領が9月25日(現地時間)ニューヨーク市で開かれている国連総会で演説した。 冒頭、トランプ政権は発足2年もたたないうちに米国のどの政権よりも多くの業績を成し遂げたと、トランプ氏が国連総会とトランプ支持集会を取り違えたような発言を…
「ブレジネフは阿呆だ」とモスクワの赤の広場でウォッカのボトルを持った男が叫んだ。すぐさま男は警察に逮捕された。「国家元首侮辱罪か?」。男が訪ねた。いや、と警察が言った。「おれは秘密警察だ。お前の言ったことは国家機密漏洩罪になる」。旧ソ連時…
6月中に関東甲信梅雨明けのアナウンスがあり、カンカン照りの日々が始まりました。高温多湿、世界最悪の季節です。 安居はかつてインドの仏教教団の慣行でした。春から夏にかけてのインドの雨季に、僧たちは外出を避けて修行に専念しました。「雨安居」――仏…
北朝鮮のキム・ジョンウン委員長が手に入れたのは「体制保証」の約束で、アメリカのトランプ大統領が手にしたのは、CVID抜きの非核化の約束の再確認だけだった。「おいぼれのゴロツキ」が「ちびのロケットマン」に「ディール」でしてやられた――という風な論…
ダグラス・ホフスタッターの『ゲーデル、エッシャー、バッハ』(白揚社)は、翻訳出版された当時、書評欄で話題になった。その本の中に、 エピメニデスはクレタの人で、次のような金言を残した。「クレタ人はみなうそつきである」 という記述がある。昔から…
麻生太郎財務大臣が一連の森友問題のゴタゴタに関連して、閣僚給与を1年分自主返納するという。 国務大臣の給与は現行で2930万円ほど。所管の違いに関係なく一律である。約3000万円を自主返納するのかというと、そういうことではないらしい。 麻生氏は財務大…
1972年のニクソン訪中による米中関係正常化の始まりは、1971年8月ニクソンが72年2月の訪中を発表するまで極々限られた人しか知らなかった。71年8月のニクソン訪中発表を聞いた当時の佐藤栄作日本国首相は目のくらむような思いだった。訪中発表に先駆けてキッ…
朝日新聞夕刊1面学下の「素粒子」の筆者が交代したらしく、このところ筆先がなまっている。読んでいてちっとも面白くない。「素粒子」は一読、ヒッ、ヒッ、ヒッヒと乾いた笑いを誘うのが売りだった。 それがいまではオピニオンのページの「かたえくぼ」や「…
マレーシアの首相だったマハティール氏が思いがけず同国の首相に返り咲いた。辞任した首相が再び首相の座に就くことは稀有なことではない。日本の安倍晋三氏は2006年に日本国首相を任期途中で辞した。後でわかったことだが、病気だったという。病気から回復…
トランプ大統領が日本時間で5月9日夜、北朝鮮に捕らわれていた米国人3人が解放されて帰国する、とツイートした。その1週間ほど前には、間もなく解放される見込みがある、とツイートしていた。 同時に、3米国人の解放の発表にあわせて、米朝首脳会談の日程と…
年配の方ならご記憶がおありだろう。かつて「キャッチ-22」という言葉が流行したことがあった。 米国の小説家ジョゼフ・ヘラーが1960年代初頭に発表した作品『Catch-22』から来ている。第2次大戦中のイタリア戦線で戦う米空軍爆撃隊のパイロットがおかれた…
「浮気しようね」 「おっぱい触っていい?」 「抱きしめていい?」 週刊新潮が上記のような報道をした財務省の福田淳一事務次官のセクハラ発言は、まずは福田事務次官と発行元の新潮社との問題である。名誉棄損で新潮社を訴える準備をし、裁判に先立って福…
3月27日の参議院予算委員会での丸川珠代委員と佐川宣寿証人との問答が興味深かった。 文書改ざんについて指示をめぐる問答である(産経ニュース デジタル版から)。 丸川委員「佐川さん、あるいは理財局に対して安倍総理からの指示はありませんでしたね」 佐…
カール・マルクスは『ルイ・ボナパルトのブリュメール18日』の冒頭で、世界史上の大事件と大人物は2度現れると、ヘーゲルを引いて言った。さらに、マルクスは皮肉っぽく「最初は悲劇として2度目は茶番として」とヘーゲルは付け加えるのを忘れた、と書いた。…
3月5日、中国の全国人民代表大会が始まった。国家主席の2期10年の任期の制限を廃止するための憲法の改正案が提出された。 習近平国家主席は中国共産党中央委員会総書記であり、中国共産党中央軍事委員会主席でもある。党のポジションについては任期に制限は…
1990年代のことだったと記憶している。シンガポールで駐車中の車にスプレーで落書きをしたアメリカ人の男子高校生が、シンガポールの裁判所で鞭うちの刑を言い渡されたことがあった。当時のビル・クリントン米大統領が野蛮な鞭うち刑をやめるようシンガポー…
[ドイツ=小野フェラー雅美 2018.2.8] 日本版ウィキペディアは東日本大震災を次のように説明している。「2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震による災害およびこれに伴う福島第一発電所事故による災害である」。福島第一原発の事故は、大規模な地震…
そういえば「大量報復論」という議論があった。1950年代、アイゼンハウアー米大統領、ダレス国務長官の時代の核戦略理論だ。アメリカの核兵器が当時のソ連に対して圧倒的に優位に立っていた時代だった。アメリカがその敵国に対して壊滅的な核攻撃を行う能力…
このニュースは旅先のホテルのテレビで見た。 ドナルド・トランプ米大統領がホワイトハウスの飾りにゴッホの『雪のある風景』を借用できまいかとニューヨークのグッゲンハイム美術館に依頼した。 美術館から丁重な返事があった。申し訳ありませんがゴッホの…
「厳しい心を持たずに生きのびてはいけない。優しくなれないようなら生きるに値しない」 さきごろレイモンド・チャンドラーの長編7作を完訳し終えた村上春樹の『プレイバック』の訳文である。原文では、フィリップ・マーロウは次のように言っている。 “If I …
さきごろ尖閣諸島周辺の接続水域内を潜航した中国海軍の潜水艦が攻撃型原子力潜水艦だったと防衛大臣が1月15日に公表した。カメラの前で「領土保全や国民の生命財産を守るための態勢を一層進める」と語るはずの安倍首相がテレビに出てこないので、どうしたの…
Does Size Matter? なんて見出しをつけるとちょっとあぶない話かなと誤解されそうだが、お話したいのは性事ではなくて政治のこと。ただし、こちらの政治の話も危ない。もっと危ない。 キム・ジョンウン朝鮮労働党委員長が今年の元旦メッセージで「合衆国はわ…
「そもそも議会は、人民を代表するものとされてきたが、この原則自体が非民主主義的なものである。なぜなら、民主主義とは人民の権力であって、人民の代表が人民に代って権力を行使することではない。議会が存在するということは、ただそれだけでは、人民の…