2017-01-01から1年間の記事一覧

遠い太鼓

去年のいまごろ、ジャズ・ピアニスト、バド・パウエルのことを書き、その中でバドの葬式に一役買ったジャズ・ドラマー、マックス・ローチにちょっとだけふれた。そのマックス・ローチが享年83歳で鬼籍に入ってから、今年でちょうど10年になった。 18歳のとき…

だんまりはあんまりだ

トランプ米大統領が12月6日、エルサレムがイスラエルの首都であると認め、テルアビブの合衆国大使館をエルサレムに移転するとの大統領布告に署名した。 布告にはこんなことが書かれている。合衆国の外交は筋の通った現実主義に立脚し、それは明白な事実を正…

性懲りもなく繰り返す、その真意は?

11月22日の朝日新聞朝刊を読んでいたら2面に、自民党の山東昭子・参議院議員が前日開かれた党役員連絡会で、子どもを4人以上産んだ女性を厚生労働省で表彰することを検討してはどうか、と発言したという短い記事が載っていた。 朝日新聞によると「女性の出産…

一枚めくれば

以下はためにする冗談である。念のため。 日本に到着するや否や、川越のゴルフ場にヘリで乗り込んだトランプ米大統領が、コースに出て言った。「良いコースだ。機会があれば買い取りたい」。現職の米大統領だから、名目上は商売から切れているトランプ氏だが…

語るに落ちる

「問うに落ちず語るに落ちる」という。 武装した北朝鮮の偽装難民がやって来たらどうする? そんな発言で話題になった副総理・麻生太郎氏が、先の総選挙での自民党の勝利の要因について、「明らかに北朝鮮のおかげもありましょう」と自民党議員のパーティー…

鉄槌

みなさま、よくご存じの事なので、結論だけを書く。 小池百合子、前原誠司の両氏に名誉自民党員の称号を差しあげてはいかがだろうか。 解散・総選挙にあたって、安倍晋三氏は自身の進退ラインを定数の過半数とした。進退ライン過半数はあまりに低すぎるので…

ヌー

デジャ-ヴュ。 テレビの動物ドキュメンタリーで見たアフリカのセレンゲティのヌーの大群のシーンがちらつく。 東アフリカから南アフリカにかけてのサバンナに「ヌー」とよばれる一見牛のような動物か群れを成して生息している。『世界大百科事典』(平凡社…

憲法7条

憲法第7条は、天皇が内閣の助言と承認にもとづいておこなう国事行為をいくつか定めている。 「憲法改正、法律、政令及び条約を公布すること」については、例えば憲法改正の場合、内閣の助言以前に、やらねばならないことがある。憲法96条は「この憲法の改正…

抑止力

防衛省が敵基地攻撃能力保有に関して議論を始める、と報道されている。北朝鮮のICBM開発と核弾頭に対する抑止力にしようとの意図だ。 日本国憲法の「専守防衛」の定めとどのように折り合いをつけるか、国内的にも国際的にも激しい議論になるだろう。 北朝鮮…

君子の交わり

人はお金に、政治家は票に頭を下げる。 安倍政権が閉会中審査に応じたのは、東京都議選で惨敗し、メディアの世論調査で内閣支持率が急落したせいである。毎日新聞調査の内閣支持率26%は衝撃だったことだろう。加計問題の真相究明はともかく、真相究明に協力…

二重国籍

蓮舫・民進党代表が戸籍情報を開示した。父親が台湾国籍だったので台湾と日本の二重国籍ということだが、日本国は外交上台湾を国家と認めておらず、「台湾国籍」者の国籍は中国になる。蓮舫氏は台湾政府発行の国籍喪失許可証書を区役所に提出したが受理され…

暑さボケ

素人くさい外交ミスである。新聞が伝えるところでは、米国のホワイトハウスが中国の習近平国家主席を台湾総統と間違って発表した。トランプ米大統領と習近平主席がハンブルクのG20で会談した4時間あとの報道発表文の中で間違った。 REMARKS BY PRESIDENT TRU…

乱暴狼藉国会議員がいっぱい

秘書を殴ったと週刊誌に報道された豊田真由子衆議院議員が、暴行の事実を認めて6月22日、自民党を離党した。 ちょっと、筋が違う。自民党員を辞めることはない。国会議員の方を辞めるべき事件なのだ。 国会議員は特別職の国家公務員であるという考え方が一…

笑止千万

「沖縄密約事件」あるいは「外務省密約事件」が起きた1972年、日本国首相・安倍晋三氏と内閣官房長官・菅義偉氏は、ともにまだ学生だった。 ちょっと因縁話めくが、外務省の秘密文書を暴露された当時の佐藤栄作(安倍晋三氏の大叔父)政権は、秘密文書のコピ…

世論調査はどの程度正確か

新聞がときどき世論調査記事を掲載する。それがどの程度信用できるかどうか。判断が難しい。回答者が性別、年齢、職業などの面で日本の有権者の縮図となるように、層化無作為2段抽出法によって選び出した回答者に面接調査するのが、かつては世論調査の常道だ…

役人

「最近の役人たちといったら……10もの禁忌を犯して10もの真実を踏みにじるといった具合で、それがどんな結果をひきおこすか何も考えていないのではないか」 そういわれてみると、防衛省の例があった。南スーダン国連平和維持活動参加した陸上自衛隊の部隊から…

セドナヤの火葬場

チュニジアで2010年12月に始まったジャスミン革命は、アラブの民主化運動にとなって中東に広がった。あれから6年余り。すべては短い春の夜の夢であった。 エジプトは再び軍政の国に逆戻りしたし、シリアでは地獄の内戦が続いている。 民主化失敗の原因究明は…

ビデオ・メッセージ

憲法記念日の3月3日、日本国首相で自由民主党の総裁である安倍晋三氏が、日本会議が中心になって開いた改憲集会に①2020年の東京オリンピックの年を新しい憲法が施行される年にしたい②憲法9条の第1項、第2項を残したうえで、自衛隊についての項を追加する③あ…

東京とソウル

北朝鮮がミサイル発射に失敗した4月29日早朝、ミサイル発射の報道速報をうけて東京メトロが地下鉄全線、JR西日本が北陸新幹線の運行を短時間であるが停止した。 北朝鮮が発射したミサイルが日本に飛んでくる恐れがある場合、日本政府はJアラート(全国瞬時…

ミサイル誤射

2017年4月24日付朝日新聞朝刊に同紙の高橋純子・政治部次長が面白い記事を書いていた。題して「スットコドッコイと愛の行方」。その中の笑える一節をそのまま引用する。 * 作家の百田尚樹氏は「もし北朝鮮のミサイルで私の家族が死に、私が生き残れば、私…

飛ぶのが怖い

4月11日付『ニューヨーク・タイムズ』の社説(電子版)が面白かった。 「飛ぶのが怖い――言いえて妙」というタイトルである。 紀行機で飛ぶことはかつてアドベンチャーだったが、今では恐怖の的である。長い、長い列に並び、その先で小突かれ、触られ、X線…

59のトマホーク

アメリカのトランプ大統領は2017年4月6日、米軍にシリア攻撃を命じた。地中海にいた2隻の米軍艦が巡航ミサイル・トマホーク59発を発射した。 アサド政権が毒ガス・サリンを使って自国民を殺傷した4月4日の事件について、トランプ大統領は「アサド政権のこの…

教育勅語

日本の安倍内閣が3月31日、戦前・戦中の教育勅語について、「憲法や教育基本法等に反しないような形で教材として用いることまでは否定されることではない」という答弁書を閣議決定した。4月1日の新聞が伝えた。 1890年(明治23年)の「教育勅語」とはどんな…

籠池デー

3月23日は「籠池デー」だった。 右翼愛国教育を旗印にする森友学園「瑞穂の國記念小學院」(一時期は「安倍晋三小学校」を標榜)をめぐる国有地の払い下げ問題や、学校設立準備中に安倍晋三総理大臣夫人の安倍昭恵氏から「安倍晋三からです」と100万円の寄…

「問題ない」は条件反射?

主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の共同声明に、これまでは盛り込まれてきた「あらゆる形態の保護主義に対抗する」という文言が今回は米国の抵抗で削除された。このことについて、日本国の菅義偉官房長官が3月21日の記者会見で、「問題ない…

一国資本主義

アメリカ合衆国のトランプ大統領が2月末日、米議会上下両院の合同会議で演説した。日本の新聞が伝えるところでは、国防予算の増額やオバマケアの撤廃、法人税減額などの税制改革とともに、メキシコ国境での壁建設開始を強調した。 トランプ大統領は打ち上げ…

スルタン的支配への回帰

[ドイツ=小野フェラー雅美] ドイツをはじめEUで暮らすトルコ国籍のトルコ人・クルド人は数百万人に上る。ドイツでは人口の3,3%、ブルガリアは10,2%、オランダは2,5%を占める。2016年のトルコのクーデター未遂事件後には、トルコの高官を含む40人の軍人とジ…

家産制国家への道

トランプ米大統領の長女のファッション・ブランド「イヴァンカ・トランプ」の取り扱いをやめたアメリカの百貨店ノードストロームを、大統領が「不公平だ」となじった。 例によってツイッターの利用である。最初の“つぶやき”は私的なアカウントで。そのあと大…

朝貢外交

来日したマティス米国防長官が2月3日、安倍・日本国首相に「尖閣諸島は日本の施政下にある領域であり、安保条約の適用範囲だ」(朝日新聞2月4日朝刊)と明言し、中国の拡張的態度に戦々恐々としている日本政府を安心させた。 しかし、よくよく考えるまでもな…

グレート・グレート・ウォール

万里の長城は宇宙からでも視認することができる。地球上最大の構造物だ。その長さは渤海湾から嘉峪関まで、3000キロ近くにわたる。この長城は明時代に築かれた。 外敵の侵入を防ぐために中国は戦国時代から壁を築いた。これらの古い時代の壁をベースにして、…