2015-01-01から1年間の記事一覧
日本と韓国の間で繰り広げてきた従軍慰安婦をめぐるいさかいを、ここらでもうやめようと、日本の岸田文雄外相と韓国のユン・ビョンセ外相が、2015年12月28日、要旨次のような共同記者発表を行った。 日本の岸田外相は①慰安婦問題には当時の日本軍が関与して…
ドイツにお住いの小野フェラー雅美さんから、歌集『とき』(短歌研究社、2015年)を頂いた。 哲学者マノンに注ぐ Silvesterpunsch モンク、ブルーベック。第九は聴かぬ 『とき』におさめられている大晦日の短歌である。「ジルヴェスタープンシュ(大晦日のパ…
女性差別を温存する日本の社会システムはながらく国際世論の批判を浴びてきた。 国連が女性差別撤廃条約を採択したのが1979年。日本は1985年に条約を締結した。国連は日本の民法が定めた夫婦同姓、女性の再婚禁止期間、男女による婚姻最低年齢の違いを、差別…
最近のワシントン・ポスト紙の報道によると、サン・ベルナルディーノであった銃による大量殺戮事件は、この種の事件としては今年(2015年)355番目の発生だという。民間の銃被害調査団体が、銃撃した犯人を含む4人以上が射殺ないしは負傷した銃撃と定義しな…
ひところのハリウッド映画には(今なおそうかもしれないが)、きまって男どもが入り乱れてバーで殴り合いをする集団乱闘シーンがあった。 まずは、1対1の殴り合いではじまり、喧嘩を止めに入った男が、助っ人に立った男に殴られ、止め男がなぐりかえし、それ…
ミャンマーの総選挙でアウンサンスーチー氏が率いる国民民主連盟(NLD)が圧勝した。 1990年の総選挙でNLDは圧勝したが、軍政府当局は政権の移譲を拒否したうえ、アウンサンスーチー氏を自宅軟禁処分にした。同氏の自宅軟禁は解除、再軟禁と繰り返された。NL…
米第7艦隊の横須賀基地所属のミサイル駆逐艦ラッセンが日本時間10月27日、スプラトリー諸島の中国埋め立て現場の12カイリ内に入った。中国の領有権を認めないというデモンストレーションである。 米海軍の艦船が中国の人工島から12カイリ以内の海域に入る示…
ユネスコが南京事件の資料を記憶遺産として登録すると決定したことで、日本国政府・与党の幹部が憤慨し、ユネスコへの分担金支払いを停止すべきだと、と言っている。 大人げない話である。 ユネスコの世界遺産リストに載った名前など、知っているのは当事国…
医学生理学賞に次いで物理学賞でも日本の科学者がノーベル賞の共同受賞者になった。そのニュースを伝える日本の新聞――といっても、年金生活に入った今では購読する新聞は朝日新聞だけになったので、具体的には朝日新聞の事だが――の記事には、がっかりさせら…
あらゆる手段を尽くして安保関連法案の参院特別委採決を止めようとする野党と、何としても通そうとする与党の対決は、9月17日午後、ついに体力勝負となった。伝統の国会肉弾戦である。 BBCのサイトは Japan security debate marred by scuffles in upper hou…
9月16日朝、欧州旅行から帰ってきた。少し寝て、睡眠不足をとりもどし、夕方、国会前に行った。この日の夜、参議院の特別委員会で安保関連法案が強行採決される予定になっていた。警察発表で1万数千人、主催者発表で3万数千人の人々が国会を取り巻いていた。…
二つの談話 いまから10年前の2005年、戦後60年小泉総理大臣談話は、次のように始まっていた。 「私は、終戦六十年を迎えるに当たり、改めて今私たちが享受している平和と繁栄は、戦争によって心ならずも命を落とされた多くの方々の尊い犠牲の上にあることに…
日本国首相・安倍晋三氏は米国議会で次のような趣旨の演説をしている。 「日本はいま、安保法制の充実に取り組んでいます。実現のあかつき、日本は、危機の程度に応じ、切れ目のない対応が、はるかによくできるようになります。この法整備によって、自衛隊と…
日本経済新聞社がイギリスの『フィナンシャル・タイムズ』を買収した。価格は1600億円。ご破算になった新国立競技場の予算よりは、1000億円ほど安い。 とはいえ、『ワシントンポスト』が2013年、アマゾンの創業者ジェフ・ベゾスに売られた時、値段は246億円…
2015年7月15日は、朝9時から衆議院のインターネットTV審議中継を見ていた。だが、いつもと比べて、中継が切れてしまうことが多かった。いったん切れると、再接続しようとしても、つながりにくくなった。やがて、アクセス集中により、視聴困難になっていると…
EIT (enhanced interrogation techniques、強化訊問技術)という言葉をまだ記憶にとどめていらっしゃるだろうか。アメリカがアフガニスタンに侵攻した時につかまえた捕虜をキューバのグアンタナモ基地で訊問した際に用いられたCIAの訊問術で、ありていに言…
安倍晋三首相の息のかかった自民党の1-2年生議員らが、これまた安倍首相の肝いりでNHK経営委員になったこともある百田尚樹氏を招いて会合を開き、「沖縄の2つの新聞新聞社はつぶさなあかん」という怪気炎を拝聴し、出席議員も「マスコミを懲らしめるためには…
安保法制審議に関連して、自民党側からお粗末な発言が相次いでいる。 ①安倍晋三・内閣総理大臣「国際情勢にも目をつぶって従来の(憲法)解釈に固執するのは政治家としての責任放棄だ」(朝日新聞朝刊6月19日付が伝える、6月18日、衆院予算委員会での発言。 …
集団的自衛権について、1972年の政府見解の結論は、「集団的自衛権の行使は、憲法上許されない」と言うものであった。 この結論が、2014年の安倍政権の閣議決定で「憲法上許容される」と変更された。 変更の理由は、安全保障環境が変化したためである、と政…
「我が国に対する武力攻撃が発生した場合のみならず、我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある場合において、これを排除し、我が…
これからしばらくの間、日本の国会は政府提出の安全保障関連法案をめぐる審議でにぎやかになる。昔風に言えば「安保国会」である。 4月15日の朝日新聞朝刊第2面に、元海上幕僚長・古庄幸一氏のインタビュー記事が載っていた。インタビューして記事にまとめた…
日本国首相・安倍晋三氏が米国の上下両院合同会議で、現地時間4月29日に行った演説の全文が、日本の30日付朝刊に掲載された。朝日新聞は英文と日本文のテキストを対比している。米議会では英語で演説したので、英文が正文ということになろう。 演説の冒頭か…
社民党の福島瑞穂氏が参院予算委員会で、政府が進めている安全保障法制を「戦争法案」とよび、これに対して自民党が発言の修正を求めている。 日本国首相・安倍晋三首相は「レッテルを貼って議論を矮小化するのは断じて甘受できない」と福島氏に反論していた…
今日(4月11日)の朝日新聞夕刊で素粒子がぼやいていた。 「テレビに放送法、国立大学に交付金、沖縄に復興予算。ちらりと背びれを見せればみな黙ると思っている一強ザメ」 権力がメディアにプレッシャーをかけることはよくあることだ。ずいぶん昔に読んだデ…
第2次大戦後に、もの心のついた世代の多くは、歴史は暗黒世界から光明世界へと直進的に前進するのが当たり前だと思い込んでいる。 世界には暗黒と薄明の間を彷徨している国が多くある。軍出身の権力者を打倒したら、その権力の空白を宗教指導者が占め、それ…
2015年3月29日、シンガポールでリー・クアンユー初代首相の国葬が営まれた。いまから10年前の2005年、筆者が当時の勤め先だった大学の紀要に書いたスカルノ、スハルト、マルコス、マハティール、リー・クアンユーの5人の政治的評伝から「リー・クアンユー――…
安倍晋三首相が3月20日の参院予算委員会で、自衛隊のことを「我が軍」と呼んだ、と新聞が伝え話題になっている。正直なことだ。誰が見たって、自衛隊は軍である。 日本国の憲法第9条は、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない、と定めている。新聞報道に…
プーチン・ロシア大統領が3月15日にロシアで放映されたテレビ番組の中で、あの時は核兵器使用の準備をしたと語った。 昨年3月のクリミア紛争の際の事である。クリミア半島をウクライナから切り離し、ロシアに編入したとき、外部からの妨害工作に対抗するため…
曽野綾子氏が2月11日付の産経新聞のコラムに書いた文章が、アパルトヘイトを許容するもだとして、駐日南アフリカ大使が産経新聞社に抗議した。いくつかの新聞で読んだ。 そこで、産経新聞が定期掲載している「曽野綾子の透明な歳月の光」というコラムの「『…
1964年にベトナム・トンキン湾内の公海上で、米海軍駆逐艦マッドクスが北ベトナムから攻撃をうけたというでっちあげをもとに、米国政府は北ベトナムへの空爆を始めた。アメリカ合衆国がベトナムの泥沼にはまって身動きならなくなるきっかけだった。 2003年に…