2014-01-01から1年間の記事一覧
新年を迎えるにあたって、書棚から貝原益軒『日本歳時記』を取り出し正月の項を読んでみた。 できれば除夜から眠らず新年を迎え、顔を洗い髪を結い、浄衣礼服を着て、威儀容貌をかいつくろい、斎戒し香をたいて天地神祇を礼拝し、父母にまみえ、雑煮を食べ屠…
2014年12月23日付朝日新聞朝刊に掲載された慰安婦報道を検証する第三者委員会の報告書(要約版)を読んだ。 なるほど、と思ったのは次の一文だった。 「民主主義社会において、『報道の自由』は、憲法21条が保障する表現の自由のうちでも特に重要なものであ…
12月12日、所用あって本郷・菊坂あたりに行き、ついでに菊坂コロッケを買った。あげたてのコロッケの匂いがプンプンする袋を下げて神保町へ行った。近くで「土井たか子さん、ありがとう! 思いを引き継ぐ集い」をやっていた。 いろんな人が壇上に立って土井…
問 700億円ともいわれる費用を投じて、この暮に総選挙を行う意義は何か。 答 首相は消費税10パーセントの実施を先延ばしすることについて国民に判断を問う、と言っている。国民の代表機関である国会では、一部の議員をのぞいて、増税先延ばしに強い反対論は…
2014年の師走は、新聞などで知る限り、どうやら解散・総選挙になりそうな情勢である。だが、なぜ、いま、総選挙が必要なのか。それが、どうも、ははっきりしない。 野党は大義名分のない解散・総選挙になるであろうと批判している。批判しつつも、仕掛けられ…
昔々、勤め先の同僚が新婚旅行でインドに行き、帰国後ただちにコレラと判定されて隔離されたことがあった。以来、久しくquarantine の訳語は「検疫」とだけしか頭の中になかったが、エボラが世果中を戦々恐々とさせるに及んで、quarantine=隔離の訳語が、生…
最近の毎日新聞や朝日新聞によると、安倍政権は新しい日米防衛協力ガイドラインで、自衛隊の米軍後方支援から地理的な制約を外す方針だ。現在のガイドラインにある「周辺事態」のしばりを外し、朝鮮半島や台湾有事といった周辺事態だけでなく、自衛隊が米軍…
2014年9月12日の朝日新聞朝刊1面に大きな謝罪記事が載った。福島原発事故関連の記事である。その核心部分を引用する。 「本社は政府が非公開としていた吉田調書を入手し、5月20日付紙面で『東電社員らの9割にあたる約650人が吉田所長の待機命令に違反し、10…
「池上さん コラム掲載します――朝日新聞が8月初めに掲載した過去の慰安婦報道に対する特集記事について、池上彰さんがコラム「新聞ななめ読み」で取り上げました。本社はいったん、このコラムの掲載を見合わせましたが、適切ではありませんでした。池上さん…
2014年7月28日付朝日新聞朝刊に掲載された、元関西電力副社長・内藤千百里氏のインタビュー記事は大変興味深かった。 内藤氏は芦原義重が語ったところでは、同氏は元社・会長のお供をして、1972年から18年間にわたって田中角栄、三木武夫、福田赳夫、大平正…
比較政治学の教科書の中の一冊、アレンド・レイプハルト『民主主義対民主主義――多数決型とコンセンサス型の36ヶ国比較研究』(勁草書房、2005年)によると、日本国憲法の硬性度は世界で最も高いグループに入る。憲法改正手続きのハードルを世界で最も高く設…
7月14日は蒸し暑い1日だった。外に出るのがおっくうになって、一日NHKの国会中継で衆院予算委員会の質疑を見ていた。 日米安全保障条約に「日米相互防衛条約」の味付けをしようとする7月1日の閣議決定「国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全…
「俺のケツにキッスして、バラの香りがします、と臆面もなく言ってくれるような奴らがまわりに欲しいのだ」。今ではすっかり歴史の中の人になったリンドン・ジョンソン第36代米国大統領の言葉だそうだ。ロバート・カーロの詳細なジョンソンの伝記『リンドン…
暴走が頻発している。東京では脱法ハーブを使った男が車を暴走させた。大阪・御堂筋でも暴走運転事故があった。こちらは糖尿病による低血糖症状が疑われている。 7月1日には東京・永田町でも暴走があった。お歴々多数をのせた大型リムジン」――日本仕様の右ハ…
自民党政権の言いたい放題、やりたい放題を羊の群れのようにおとなしく眺めている永田町のセンセー方です。 昨年夏の麻生太郎氏の「ヒトラーの手口」講演を、新聞のアーカイブから引用再録しておきましょう。彼の言うとおりに事態が進展し、誰も止めようとし…
国会議員であれ東京都議会議員であれ、彼らのすべてが、その政治的見識、専門分野での知識・経験、正義感、倫理観、思いやり・人間性などなどを評価されて選ばれているわけではない。むしろ、相当数の議員たちは、それら以外の理由で議会に送り込まれている…
「避難する日本人を載せた米艦を自衛隊が守る」という想定が、解釈改憲による集団的自衛権の是認の材料に使われているが、6月16日の朝日新聞朝刊に「朝鮮半島の有事で現地から日本の民間人らを米軍が避難させる計画は日米間で一度議論されたものの、最終的に…
日本国憲法第9条は次の通りである。 第9条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。 2 前項の目的を達するため、陸海空…
安倍首相の私的諮問機関である通称「安保法制懇」に代表されるような安保オタク勢力が、右派国家主義オタクの安倍晋三氏を利用しているのだろうか。それとも、安倍晋三氏が祖父譲りの私的願望達成のために私的諮問機関を利用しているだろうか。 安保法制懇と…
バラク・オバマ米大統領の東京滞在中、安倍晋三日本国首相は共同記者会見で米国大統領のことを「バラク」と繰り返し呼んだ。米大統領が日本国首相のことを「シンゾー」と呼んだのは、銀座ですしをおごられた時だけだった。この非対称が巷では面白おかしい憶…
4月19日土曜日の朝日新聞朝刊4面に「米タイム誌が『愛国者』安倍首相を特集」したという記事が、タイム誌(アジア版)の表紙写真とともに掲載されていた。「力強く日本の夢描いている。それがなぜ多くの人を不快にするのか」と記事は問いかけている。 同じ日…
新藤義孝総務相が4月12日、靖国神社に参拝し、対日批判にいれこんでいる中国をまたまたよろこばせた。新藤総務相は「戦争で命を落とした方々に哀悼を捧げることはどこの国でも行われる」「私的な行為であり、他国に制限されることには当たらない」と記者団に…
佐村河内守(スキャンダルになってしばしばテレビでその名が出るまでは「さむら・かわちのかみ」とよみ、風変わりな芸名だと思っていた)氏のために、新垣隆氏が十数年間黙々とゴーストライターをつとめていたのはなぜだろうか? 小保方晴子氏のSTAP細胞論文…
今から10年前の2004年、政治家やメディアの人気者の年金掛け金未納問題が続出した。 当時民主党の代表だった菅直人は過去の年金未納で党代表を辞任した。辞任後、未納は行政側の手続きミスによるものだと判明した。小沢一郎も同様に年金未納で、予定していた…
安倍晋三首相の母方の祖父は、「昭和の妖怪」岸信介である。東京裁判のA級戦犯被疑者で、アメリカの都合で不起訴・釈放され、やがて日本国の首相になった。 ティム・ワイナーの『CIA秘録』によると、岸が首相になるまでの過程で、背後にはずっとアメリカのCI…
東京都知事選挙で田母神俊雄元航空幕僚長が61万票を集めた。その理由を2月12日付朝日新聞朝刊が分析していた。手短に言えば、従来の保守層よりも過激で愛国的なネットユーザーたちである「ネット保守」の支持があったと思われる、という論旨である。 この61…
毎日新聞(2014年2月5日)デジタル版で大変興味深い記事を読んだ。 NHK経営委員になったばかりの長谷川三千子・埼玉大学名誉教授が、1993年に東京・築地の朝日新聞社へ抗議に行き、最終的には持っていた拳銃で自殺した新右翼「大悲会」の野村秋介・元会長…
就任記者会見の怪気炎で注目を浴びることになった籾井勝人NHK会長を選出したNHK経営委員の一人である長谷川三千子埼玉大学名誉教授が、2014年1月28日付朝日新聞(東京)で俎上に上げられた。テーマは長谷川氏が2014年1月6日付産経新聞コラム「正論」に書いた…
2014年1月26日日曜日の朝刊は籾井勝人会長の就任記者会見でにぎわっていた。朝日新聞のデジタル版に記者会見の問答が詳しく載っていたので読んでみた。 なかなか面白い。結論としていえるのは、営利を最大の目的とする商人としての能力は別にして、重要な言…
風蕭々として易水寒し 壮士ひとたび去ってまた還らず 毒薬を刃に染みこませた匕首を持って、秦の始皇帝を暗殺する目的で荊軻が易水を渡るときにこれを歌ったと、司馬遷の『史記』刺客列伝にある。刺客・荊軻を見送る燕の太子・丹以下全員が白い喪服を着てい…